2010-08-29

PePo登録団体イベントレポート

講演会「『デートDV』って!なに?」
主催:NPO法人ひこばえ(PePo登録団体)、ぐんま男女共同参画センター


平成22年8月11日、ぐんま男女共同参画センターにて開催された、標記の講演会に参加してきました。
若者の交際中におこる暴力、「デートDV」について、DV加害者への教育プラグラムやデートDV防止プログラムを実施する団体「アウェア」代表の山口のり子さんが講演されました。
(講演会の基本情報は、ひこばえさんのホームページからご覧ください→http://www11.ocn.ne.jp/~hikobae/index.html
会場には、女性を中心に約70名の参加者が集まっていました。

DV(ドメスティック・バイオレンス=親密な関係の相手に対してふるう、身体や心への暴力)は大人の夫婦間だけでなく、交際中の若者にもあるようです。アウェアの調査によると、交際中の若者のうち、女性は5人に1人が、男性は11人に1人がDVの被害を受けているそうです。
講師の山口さんは「DVは人権侵害であり、犯罪」と強調し、デートDVとは何なのか、その要因や防止対策などについて、自身の支援経験を踏まえて説明されました。





デートDVの要因として、普遍的なものは、
①力と支配(支配を目的に、暴力を手段とする)
②暴力容認(メディアなど社会のあらゆるところにあふれる暴力容認のメッセージ)
③ジェンダーバイアス(性別役割的差別)
の3点だそうです。これらを「unlearn」(=学び落とす;気づいて、捨てる、やめること)することが必要だということです。
そしてデートDVをなくすためには、「自分らしさ」や「対等・平等・尊重」の意識、「自己決定権(性的自己決定を含む)」、「共感」の姿勢などを学ぶことが重要だそうです。


私は、DVについては多くのケースに触れたことがないので、加害者や被害者の心理に対する理解が深くありませんが、DVを含むあらゆる虐待の根底にあるのは、ものごとの解決を暴力(身体的、精神的)によって行うことを容認する価値観ではないかと思いました。加害者にとっては、お互いの人格を尊重する意識と、相手を思いやりつつ自分の意見を冷静に相手に伝えられるコミュニケーション能力が必要であり、被害者にとっては、自分の人権は守られるべきという意識・知識を持つことが大切なのではと考えました。


今回の講演会を主催した「NPO法人ひこばえ」さんは、女性や子どもたちの一人ひとりが、自分の尊厳を保ち、いきいきと自立して歩んでいけるような精神的、身体的援助を行っている団体です。若い人たちを暴力から守るための今回の講演会は、まさにひこばえさんが取り組んできたテーマにぴったりと合うものであり、同団体にとっても記念すべき講演会になったそうです。

PePoとしても、若者を含む多くの方々が利用する施設として、DVを含む暴力の問題や、一人ひとりがもつ大切な人権の意識について、理解しておく必要があると思いました。非常に勉強になった講演会でした。(Y)

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